Ramiro Musotto / Sudaka Ao Vivo

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惜しくも2009年9月に胃癌のために46歳で亡くなってしまった、アルゼンチン出身でブラジル人以上の名パーカッショニスト兼プロデューサー、ハミロ・ムソット唯一のライヴアルバムです。アフリカ起源のビリンバウという打弦楽器に魅せられブラジルに渡った、アルゼンチンはバイアブランカ生まれのハミロ・ムソットが、ビリンバウの他にバイーアの様々な打楽器や、イレ・アイエのナンバーなど、アフロ・ブラジル的アーシーなリズムをベースにクリエイトした、テクノ~ハード・ハウス~ダブのハイパーサウンドは圧巻です!同時発売のDVD(LAM12305 / 3,000円)では、ハミロとその仲間たちの圧倒的な演奏と様々な映像を駆使した最高のパフォーマンスを見ることが出来ます!

パーカッショニストのアルバムなんて、叩きまくっているだけの単調でつまらないものだろうなと考える人もいるかもしれないが、この作品だけはそんなものとは一線を画す素晴らしい映像作品であると記しておきたい。前作のスタジオ録音『Sudaka』はハミロがスカンクのツアー・メンバー(その時に初来日)として、あるいはリオ、サンパウロ、バイーアでスタジオ・ミュージシャンとして殺人的に忙しい中、約3年の歳月をかけてハミロがコツコツと作り上げたものだった。
そしてそのリリースを記念して2003年から同作品(+未発表曲)をライヴで披露している。ここでの演奏メンバーはハミロの他に、サッシャ・アンバッキのキーボード、そして2人のパーカッショニスト、ゲストにルーカス・サンタナのギターとヴォーカル、ジョルジ・コンチネンチーノのサックス、ピフェ、ディジェリドウ。大半はプログラムされたトラックと生の楽器とのシンクロ演奏なのだが、プログラムされた演奏と一緒にやっているとは思えないほどの生き生きとした楽しげな演奏がダイレクトに伝わってくる。そしてアフロブラジレイロの歴史と伝統に忠実なリズムアレンジを各曲ごとに施しており、それが現代的なサウンドの中でしっかりと息づいているところも驚嘆に値する。

ここまでブラジル音楽の歴史と伝統を現代に生かしているブラジル人ミュージシャンがいるだろうか?レニーニもDVDの中のインタビューで言っているように、ハミロ以上にブラジル音楽を十二分に理解し演奏しているブラジル人パーカッショニストはそうざらにはいないのだ。彼がアルゼンチン人だから故に、外側からだと良く見えている部分もあるには違いないが、さらに加えてアフロブラジル文化に対する尊敬の念が大変に深いのだ。小さい時からブラジル音楽に憧れていた、というだけあって、生半可な研究成果の発表ではないし、半端な演奏ではない。理論と史実に基づき構築、あるいは再構築された楽曲を可能なかぎり現代に生かすサウンドで演奏しているのだ。その姿勢があるからこそ、今までに彼が演奏やアレンジを手掛けてきたアーティストたちのアルバムが大ベストセラーになり、毎日引きも切らずに大勢のアーティストからの彼に共演依頼のコンタクトが届くのである。

マルガレッチ・メネーゼス、ダニエラ・メルクリ、モラエス・モレイラ、レニーニ、ジルベルト・ジル、カエターノ・ヴェローゾ、アドリアーナ・カルカニョット、セウソ・フォンセカ、ミレーニ、アドリアーナ・マシエル、マルチーニョ・ダ・ヴィラ、レニーニ、キッヂ・アベーリャ、スカンク、ルル・サントス、マリーナ・リマら錚々たるアーティストたちが、ライヴやレコーディングでハミロ・ムソットを起用する理由がこの作品の中にあるのだ。
(この文章は2005年発売のCD、DVDのライナーノーツから引用しました。)

『Ramiro Musotto / Sudaka Ao Vivo』(LAM-12405 / Berimbau / CD / 2,000円)

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