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1998年の『ヂアス・ヂ・パス』以来、6年ぶりの新作では、まずジャケットのベトが白髪で写っていることにびっくり。時の流れを感じさせますが、歌声は以前のまま、また音楽もゆったりとしたテンポで、青空の下、草原の中をベースを持って歩いている彼に「ベト、久しぶり!」と声をかけたくなります。ロー・ボルジスでおなじみの10.以外はほとんどの曲が未発表ですが、フェルナンド・ブランチ、ホナルド・バストス、ミルトン・ナシメントらの名が共作者として名を連ね、クルビ・ダ・エスキーナの友情も健在です。タイトル・トラックの7.では「今まで見たこともないどこか、夢に見た場所には海がある」と、ミネイロの海に対する憧れを歌っているかのようです。注目したいのは6.の「ラメント・アーラビ」で、父親であるゴドフレド・ゲヂスの作品を歌っています。画家であり、音楽家でもあった父ゴドフレドの曲は絵画の作品のように美しく繊細で、文化的に豊かな、そして乾いた空気の大地が広がるベトの故郷、ミナスの北部モンチス・クラロスへの想いが感じられます。そして、冒頭の「アテ・デポイス」ではいとこのルイス・ゲヂスが作曲、最後は息子ガブリエルが娘(ベトの孫)のことを歌った「ジュリア」で締めくくっており、この作品では父、自分、同世代の仲間達、家族、そして次の世代へと確実に音楽が受け継がれていく未来への希望、そしてジャケットに写っている青い空を素晴らしい音楽とともに自由に飛び回っている、そんなベトの心意気が感じられます。(所沢 美茄子)