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ミルトン・ナシメントのアルバムとしては1967年のデビュー盤から数えるとこれが8作目。ミルトンの顔が大きくジャケットに使われているがその表情はどことなく寂しげだ。1曲目はアルバムタイトルの「ミナス」。子供たちの合唱とミルトンの声、そして男女のコーラスが幾重にも重なり、何故か分からないがとても懐かしい感情が込み上げてくる・・・そういう気持ちが芽生えたら、あなたは既にもうミルトンの世界に入っているのだ。この作品に収められたのは永遠の名曲ばかり。トニーニョ・オルタの「ベイジョ・パルチード」は本人のアルバムよりも先にミルトンが歌っているし、ウエイン・ショーターとの『ネイティヴ・ダンサー』で有名になった「ポンタ・ヂ・アレイア」も、またカエターノ・ヴェローゾとの共作「パウラ・イ・ベベート」も入っている。このアルバムが制作された当時(1975)はまだ軍事政権の真っただ中だったから、沈痛な雰囲気も少し感じられるが、それでも明るい日差しがところどころから差し込んでいて、それが重苦しい雰囲気があった70年代前半の作品との大きな違いではないだろうか。ミルトンの声も非常に溌剌としていて、いかにも歌うことが楽しくてしようがない、といった気持ちが伝わってくる。1975年前後の作品はミルトンの歴史にとって非常に大切なものだが、中でもこの『ミナス』と次作の『ジェライス』はしっかり聞き込んで下さい。(ケペル)