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ロバォン、ルル・サントスらと組んでいた伝説のバンド、ヴィーマナのヴォーカリストだった英国人が1983にリリースして当たりを取ったブラジリアン・ロックの名盤。この世界にディヴィッド・ボウイーになりたい人間はかなり存在するようだが、彼もそんな中の一人なのだろう。ニューウェーヴを注入しながら70年代のグラム・ロックを感じさせるクールで艶めかしいサウンドはセンス良く、21世紀にも色褪せない。エスニックな要素を取り入れたものからバラードまでバラエティある楽曲はプログレ出身を匂わせながら、ボックス・トップス「あの娘のレター」をカヴァーでキメているように、アメリカン・ポップス職人的なひねりが随所にあり本格的だ。そのあたりエルトン・ジョンにも近いかもしれない。特にスティーヴ・ハケットが参加したタイトル曲のやるせない美しさ、ヒット曲「メニーナ・ヴェネーノ」のスペイシーなロマンチシズムと悩ましさ、「カザノヴァ」のいなせな佇まいとか、素晴らしい。とにかくどこを切っても名曲の金太郎飴状態ですごい。後期のビー・バップ・デラックスなんかにも通ずる未来観が支配的なものの感触は強烈にやはり南米なのがたまらない。ヴィーマナ時代の盟友の2人やリミーニャ、シコ・バテーラ、ゼー・ルイスらが参加して鉄壁のプロダクションで仕上げられた、ブラジルだからこそ生まれえた見事なバランス感覚のマスターピースだ。