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ゼリア・ドゥンカンの意欲作。ゼリアといえば、70年代フォーク・ロックをベースに、ファンクあり、レゲエあり、打ち込みありのインターナショナル・ポップスターなお姉様(?)のイメージだったが(97年来日の時は、共演させて頂きました…エレキ一本勝負!)、本作は一転全編極めてシンプルなアコースティック・サウンド。しかも子供の頃母親に聴かされていた懐かしい曲を取り上げました、という趣向だ。これって多分、例えばもし「エポカ・ヂ・オウロ」と一緒に古い曲やりました、とかいう事だったら、一作きりの企画モノでおしまいの類だったかもしれない。がどっこい、この作品がもつ並々ならぬ説得力には、まず何よりもマルコ・ペレイラ、アミルトン・ヂ・オランダ、マルシオ・バイーア、ガブリエル・グロッシという実力派インストゥルメンチスタたちとの競演がものをいっている。それぞれが個性を十分に発揮しながら自らの役割を過不足無くこなしたアンサンブルの妙は、さすがにゼリア自身が「みんなで作り上げた」と言うだけのことはある。そしてさらに、カルトーラ、ドリヴァル・カイミ、ジョビンにウィルソン・バチスタ…では終わらず、ちゃんとイタマール・アスンサォンやトン・ゼーが肩を並べてしまう選曲センスもお見事。ゼリアを含めた全員が全体の中でそれぞれの曲をきちんと「演じて」いる感じとでも言おうか、シンプルでありながら、不思議な色彩感を湛えたこの作品。